四駆の世界でFRを謳歌する、ボルボ流FRの遊び方

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ボルボは、ポールスターが手掛けるソフトウェアのアップグレードサービスの開始を発表した。これはスポーツドライビングをより愉しめるソフトウェアアップグレードである。

 

創業以来、安全第一を貫いてきたボルボは、安全を脅かさないギリギリの範囲で、ドライビングプレジャーを追求する新たな一歩を踏み出したのである。

 

いよいよ、新たなボルボに向かって、これまでの殻を破る時がやって来たようだ。

 

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▶FRのようなドライビングプレジャー

今回発表されたソフトウェアのアップグレードは、ボルボの四輪駆動車のトルク配分を後輪寄りにすることで、FRのような回頭性に優れたハンドリングを実現するという。

 

後輪寄りのトルク特性により、ターンイン時のステアリングの操作性が向上し、コーナリング中の安定感やコントロール性能も今まで以上に増す。そして、発進時や加速時のトラクションも増し、後ろからグイッと押されるFR特有の力感を味わえるそうだ。

 

▶ドライブモード・セッティングに潜む愉しみ

通常の状態では、このソフトウェアアップグレードが施された後でも、トルク配分は従来と何ら変わりはない。「コンフォート」、「エコ」、「ダイナミック」、「オフロード」の4つのモードを備えたドライブモード・セッティングの中から、「ダイナミック」を選択すると、後輪寄りのトルク特性が起動する。

 

実は、その他にもう一つ起動方法がある。それは、ESCをオフにすることである。ESCをオフにすると、自動で後輪寄りのトルク配分へと切り替えられる仕組みになっている。ドリフトを思う存分に愉しんでくれと言わんばかりの演出ではないだろうか。

 

とはいえ、そこはボルボ。ESCをオフにしようとも、四駆という絶対的なトラクションが路面を掴んで離さない。そんな四駆に護られた中で、心ゆくまでFR的な愉しみを味わい尽くす。これぞ、ボルボ流FRの遊び方である。

 

もっとも、ドライブモード・セッティングの4つのモードの他に、エンジンレスポンス、ステアリング、サスペンションなどの特性を個別に設定できる「インディビジュアル」というモードがある。しかしながら、この「インディビジュアル」で後輪寄りのトルク特性を設定できるかは明らかにされていない。もし、「インディビジュアル」で後輪寄りのトルク特性を設定できるのなら、普段の街乗りでも快適にFR的な走りを愉しむことができるだろうに。

 

▶トルク配分だけではないアップグレード

実は、今回のソフトウェアップグレード、後輪寄りのトルク特性が一番の注目点ではあるが、それ以外にも特徴がある。具体的な数値は公表されていないものの、エンジンパワーの強化、スロットルレスポンスの向上、より素早いギアチェンジを可能にするプログラムへと書き換えられており、ボルボのドライバーズカーへの意気込みが、いかに本気か伝わってくる。

 

そして、気持ちよく曲がることへのこだわりは、こんなところにも表れている。

 

コーナリング中のギアシフトポイントを最適化し、ギアをホールドすることで、コーナー脱出時に気持ちよく加速できるようプログラムされているのである。

 

まるで生き物のようにドライバーの意思を先読みする素早い身のこなしと、背後に感じる強力なトラクションは、エンスー達に強く突き刺さるだろう。

 

▶アップグレードの対象モデル

今回のアップグレードサービスの対象モデルは、ガソリンまたはディーゼルを搭載した90シリーズ、60シリーズ、XC40の四輪駆動モデルである。

 

プラグインハイブリッドのT8とT6は対象とはならない。理由は、T8とT6はリアアクスル上に搭載されたモーターが後輪を駆動する「エレクトリック リア アクスル ドライブ システム(ERAD)」を採用しているため、すでに後輪寄りのトルク特性を備えているからである。

 

このアップグレードサービスの開始は、8月以降からとなり、費用はおよそ12万円(2018年8月16日時点)となる。日本におけるサービス展開については、まだ発表されてない。

 

▶ハルデックス・パフォーマンス・パーツをご存知?

四輪駆動と言うと、最近は「ハルデックス・カップリング式」という名前をよく耳にするのではないか。この四輪駆動システムは、ゴルフRやアウディに採用されている四駆システムで、コンピューターがクルマの走行状況を精緻に分析し常に最適なトラクションを四輪全てに配分する、とても賢い四輪駆動である。

 

今では、ランボルギーニやブガッティまでもが、この「ハルデックス・カップリング式」を採用しており、その性能がいかに高いかよく分かる。アップデートが重ねられた結果、現在は第5世代へと進化を果たしている。

 

さて、この「ハルデックス・カップリング式」4WDを開発製造しているハルデックス・トラクション社は、「ハルデックス・パフォーマンス・パーツ」なるアフターパーツを販売している。

 

このパーツを装着すると、今回のボルボのように、後輪寄りのトルク配分を設定することができる。無論、切れ味鋭いハンドリングと、背後から迫りくる強力なトラクションで、クルマとの一体感は今まで以上となる。

 

FFベースの四輪駆動車であるゴルフRやアウディS3などのオーナーで、もう少し走りにパンチが欲しいと日々悶々と悩んでいる方は、このパーツを装着することで、FFベースでは味わえない刺激的な歓びを感じられるのではないかと思う。

 

Photo source:VOLVO

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