新型ボルボS60、6月20日正式発表へ

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ボルボは、新型S60を6月20日に正式発表することを、フェイスブックやツィッターを通じて公にした。

 

今回のモデルチェンジでディーゼルはラインアップから外れ、ガソリンとハイブリッドがパワートレインの中心となり、EV開発へ向けた同社の取り組みは一層加速することになる。

 

そして、新型S60のトップモデルには、ポールスターが手掛けるハイパフォーマンスモデルもラインアップされる。

 

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▶踏襲されるデザインコンセプト

外観のデザインは、昨年発売されたXC60や今年2月に発表されたばかりのV60を踏襲しており、ボディの形状がセダンになった以外、特に目立った違いはない。

 

とはいえ、北欧神話に登場する戦神トールが持つトールハンマーをモチーフにしたT型デザインのヘッドライトとワイドになったフロントグリル、そして大きくなったボルボのブランドエンブレムからなる顔つきは、モダンでアグレッシブな存在感を放つ。

 

一方、内装のデザインも外観と同じくXC60とV60のデザインを引き継ぎ、あのタブレットのような縦長のタッチスクリーンが印象的である。

 

▶パワートレインと価格

パワートレインや価格については6月20日まで詳細は不明だが、恐らく現行と同じようなラインアップになると予想される。エントリーモデルのT3から始まり、T4(欧州仕様)、T5となり、トップモデルはT6から今回明らかにされたポールスターの手掛けるT8となると思われる。トランスミッションは、8段ATが組み合わされるだろう。

 

価格については、およそ440万円(6月15日時点)からとなりそうだ。発売時期は2019年頃になると見られ、アメリカのサウスカロライナ州チャールストンにある工場で生産されるようだ。

 

▶ポールスターに心が躍る

新型S60のトップモデルは、1996年からボルボの公式モータースポーツパートナーを務め、数々のハイパフォーマンスカーを世に送り出してきたポールスターが手掛ける。なお、現在のポールスターはボルボからは独立した会社となり、ボルボをベースにした電気自動車やハイブリッド車の開発に主軸を置いている。

 

新型S60のポールスターバージョンは、T8ツインエンジン(2.0ℓ4気筒ツインチャージャに電動モーターを組み合わせたハイブリッド)となり、パワーは従来の400ps/640Nmから415ps/669Nmへと向上している。そして、エンジンのECUプログラムも専用のものに書き換えられ、パフォーマンスはもちろん、燃費の改善も図られているという。

 

トランスミッションも従来の8段ATに改良が加えられ、よりスムーズなシフトチェンジを実現しているようだ。さらに、フロントは可変式ストラット・タワーバーの装着により俊敏なハンドリングが可能となり、サスペンションはオーリンズ製の可変ダンパーのおかげで乗り心地を維持しつつも高速域での軽快なフットワークを実現する。

 

また、軽量化されたホイールを履くことでバネ下重量を軽減し、ポールスターの新しいブランドカラーであるイエローで塗装されたブレンボ製ブレーキキャリパーがよりコントローラブルな車であることを約束する。シートベルトにもイエローのラインがあしらわれており、特別な一台であることが強く印象付けられている。

 

最後に、リアバンパーの下にはブラックのクロムメッキ加工されたテールパイプが顔をのぞかせ、スポーティかつクールな印象を漂わせる。ただのボルボではない特別なボルボには、ポールスターがこれまで培ってきた優れた技術とノウハウが惜しみなく注がれている。

 

妥協なきチューニングには、心が躍る。

 

そんな特別なボルボはS60を筆頭に、V60とXC60にも展開が予定されている。発表時期は、2019年頃になるだろう。

 

▶完全EV化を見据えたボルボの戦略

新型S60では、ディーゼルがカタログ落ちする。そして、トップモデルにはガソリンエンジンではなく、ハイブリッドモデルが据えられる。このハイブリッドのトップモデルは、今やハイブリッドと電気自動車を専門に開発するポールスターが開発を手掛けた。

 

今後は、ポールスターが旗振り役となってボルボのEV化を引っ張っていくことになりそうだ。しかし、クルマを愛する者としては、クルマが家電の延長線上に置かれ、ただの移動手段になってしまう世の中ほど寂しいことはない。

 

この点、ボルボのEVには心配がなさそうだ。ポールスターがEV化の主役に躍り出るからだ。内燃機関で走りの技術を磨き上げてきたポールスターが、次世代の電動化技術を手掛けるトップランナーとして走ってくれれば、期待は高まるだろう。

 

クルマを愛する者にとって、今までとは違う新たな世界観をもたらしてくれるに違いない。

 

ボルボは2025年までに売り上げの25%以上をハイブリッドないしEVで占めるという目標を掲げている。口うるさいドライバーがついつい唸ってしまうような車を世の中に送り出すことで、この大きな目標を達成してもらいたいものだ。

 

Photo source:VOLVO

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