やんちゃな冒険野郎、改良版500X

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フィアットは、500のSUVモデル「500X」にマイナーチェンジを施したようだ。

 

今回のマイナーチェンジでは、エクステリア、エンジン、運転支援装備に手が加えられているようである。

 

500Xは2016年以降、イタリアのスモールSUV市場でトップ5に入り続けており、フィアットのラインアップの中でも2番目に売れている人気モデルである。

 

日本では、500Xを目にする機会はそれほど多くないが、500のデザイン性に引かれつつも実用性の面で二の足を踏んでいる方にとっては、500よりも大きな500Xはなかなか魅力的なクルマに映るのではないだろうか。

 

それでは、イタリアが誇るヴィンテージとモダンの融合に一層の磨きがかかった、小さいけれどやんちゃなSUVを見ていくこととしよう。

 

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▶クラシカルでありながら現代的な外観

500Xは、「アーバン」、「シティクロス」、「クロス」の3つに分かれており、「アーバン」は都会的でカジュアル志向なSUVであり、「シティクロス」と「クロス」は本格的なオフロード志向のSUVとなる。

 

「アーバン」は、先代よりもスタイリッシュなバンパーへと刷新される一方、「シティクロス」と「クロス」には、ボディを保護するための堅牢なアルミ製スキッドプレートをバンパーの下に備える。カジュアル志向の「アーバン」と、オフロード志向の「シティクロス」と「クロス」が見た目ではっきりと区別できる演出だ。

 

今回のアップデートで、全てのモデルにLEDデイタイムランニングライトと、LEDテールライトが標準装備となり、500Xが持つクラシカルな雰囲気の中にLEDによるモダンな表情を巧みに織り交ぜている。そして、トップモデルの「クロス」には、LEDヘッドライトが標準装備となり、従来のバイキセノンヘッドライトよりも20%明るい光量で、これまで以上に夜間も安心して走れるようになっているという。

 

目的によって異なるデザインを施し、最先端の機能で美しさを表現する。

お茶目でスタイリッシュ。ついつい見とれてしまう、イタリアの機能美。

 

▶実用性と快適性を洗練させたインテリア

インテリアは、500のクラシカルなデザインはそのままに、実用性と快適性に重点を置いた改善が施されている。メータークラスターの表示は視認性が改善され、従来よりも表示内容が読み取りやすくなっている。そして、ステアリングは、その形状が見直され、これまで以上に握りやすくなっているようだ。

 

さらに、スイッチ類、ギアシフト、アームレストの位置は、人間工学に基づき設置位置が改善され、より使いやすくなっている。インテリアに使われるマテリアルは、今までよりも上質なものが採用されており、手触りなどの質感はプレミアム志向へと磨きがかかっているようだ。

 

ダッシュボードの色は、「シティクロス」と「クロス」では、ボディ同色となり、オシャレ感を増す演出が施されている。

 

トップモデルの「クロス」には、7インチタッチスクリーンの最新型「Uconnect™7″HD LIVE」システムというインフォテインメントシステムが標準装備となる。このシステムは、ボイスコントロール機能を備え、アップルカープレイやアンドロイドオートにも対応する。

 

シートに腰を掛けるたびにワクワクする空間の中で、快適にドライブ。

太陽がサンサンと降り注ぐ夏のバカンスで、長距離を楽しく移動する、イタリア人の知恵。

 

▶2つの第三世代マルチエアエンジン

最新の第三世代マルチエアエンジンはアルミ製で、今回の500Xから採用される1.0ℓ3気筒ターボエンジンの重量は、わずか93㎏という軽さである。軽量化された最新のエンジンは、従来型よりも20%の燃費向上が図られているという。

 

気になるスペックであるが、1.0ℓ3気筒ターボは、120ps/190Nmを発揮し、6速マニュアルとの組み合わせでFFとなる。現行の1.4ℓ4気筒ターボに比べるとややパワーダウンするが、最高トルクが2,000回転以下で発生することを考えると、日常使いでは必要にして十分なパワーを備えていると考えて良いだろう。

 

1.3ℓ4気筒ターボは、150ps/270Nmを発揮し、6速DCTとの組み合わせでFFとなる。これは、現行のトップモデルよりも最高出力でやや劣るが、トルクでは勝っている。270Nmの最高トルクは、320NmのポロGTIに迫る相当にパワフルなトルクである。

 

3つのグレードにどのエンジンが設定されるかであるが、「アーバン」には1.0ℓ3気筒ターボが設定され、「シティクロス」と「クロス」には1.0ℓ3気筒ターボと1.3ℓ4気筒ターボの両方が設定され、好きな方のエンジンを選ぶということになるようだ。

 

4WDが設定されるのは、「シティクロス」と「クロス」の2モデルである。

 

欧州仕様のトランスミッションは、5速マニュアル、6速マニュアル、6速DCTという幅広いラインアップだが、日本では現行と同じ6速DCT一本となるだろう。

 

とにもかくにも、フィアットの最新エンジンは、運転を愉しむに十分な「やんちゃパワー」を備えているだろう。

 

▶運転支援装備

最新の運転支援装備としては、「トラフィック・サイン・リコグニション」と「スピード・アドバイザー」というシステムがある。前者は、フロントガラスに搭載された2つのカメラが、道路標識の制限速度を読み取りメータークラスター中央部に制限速度を表示し、ドライバーに速度順守を促す。

 

後者は、ステアリングにあるボタンを押して起動させると、「トラフィック・サイン・リコグニション」が読み取った速度制限内で走行するように速度を自動調整する。

 

アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなどの運転支援装備との協調で、今まで以上に安全で快適なロングドライブが楽しめるだろう。

 

▶今後の展開

欧州での価格は、中間モデルの「シティクロス」1.0ℓ3気筒ターボの6速マニュアルのFFモデルで、およそ273万円程度であるという。日本での販売価格は、現行と同じ300万円前後からのスタートか、やや高めになることが予想される。

 

日本導入時期については、まだ公表されていない。

 

▶500の魅力

デザインとキャラクターという点から、500とミニはライバルである。

 

外から眺めると、BMW製「ミニ」は、もはや「デカっ?」。

一方の500は、やはり「チンクエチェント!」である。

 

ドアを開けて座ってみると、BMW製ミニは、小さな宇宙船。元気よく、現代をすっ飛ばした未来。

一方の500は、やはり500である。ヴィンテージというキャンバスの上にモダンな花を描き、オリジナルの500を巧みに現代化している。

 

ミニは、”走るぜ!”が前面に出ているタイプ。

500は、”楽しくドライブしようよ!”を醸し出すタイプ。

 

男性が運転していても、女性が運転していても、お茶目に見えるのは、やっぱり「チンクエチェント!」だ。

 

Photo source:FIAT

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