歓び二刀流、488ピスタ スパイダー

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フェラーリは「488ピスタ スパイダー」を、アメリカのカリフォルニア州で開催された「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」で披露した。

 

488ピスタ スパイダーは、フェラーリ史上50代目となるコンバーチブルモデルとなる。ベースとなる488ピスタは、今年3月に開催されたジュネーブモーターショーで発表されたばかりだ。

 

イタリア語でトラックを意味する「ピスタ」の名を冠した488ピスタ スパイダーは、フェラーリ史上最強のV8エンジンを搭載する。

 

公道で開放感を大いに愉しみ、サーキットでマシンの持つ限界性能を味わい尽くす。

歓び二刀流のフェラーリ、488ピスタ スパイダー。

 

早速、のぞいて見るとしよう。

 

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▶風を味方につけた、流れるように美しいフォルム

488ピスタ スパイダーのボディは、ベースとなるクーペ同様、空力性能を最大限に発揮しつつも、フェラーリが長年積み重ね、熟成させてきた流れるような曲線美を纏う。

 

風を力に変える空気力学を芸術的に昇華したボディには、空気の流れをイメージしたブルーのセンターストライプが、フロントエンドからリアエンドにかけて一直線に伸びる。

 

アイキャッチとなるブルーのセンターストライプは、風を味方につけ疾走する様を即座に連想させる。

 

▶史上最強のV8エンジン

3年連続「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」に輝いた、フェラーリ史上最強の3.9ℓV8ツインターボエンジンは、720ps/8,000rpm、770Nm/3,000rpmを発揮。10,000rpmまで刻まれたタコメーターのレッドゾーンは、最高出力に到達する8,000rpmからだ。アクセルを鋭く踏み込めば、エンジンは甲高い甘美なるサウンドを立てながら、一気に吹き上がる。自然と笑みがこぼれる瞬間だ。

 

1,380㎏という軽量ボディに、720psを誇るV8ツインターボエンジンを搭載した結果、パワーウェイトレシオは、およそ522ps/tとなる。

 

マクラーレン・セナには遠く及ばないものの、つい先日デビューしたニュル最速のランボルギーニ アヴェンタドールSVJのパワーウェイトレシオ505ps/tを凌ぐ。

 

屋根なしのオシャレなイタリアンスーパーカーでは片付けられない、桁外れのパワー。

 

トランスミッションは7速F1 DCTが組み合わされ、淀みない強靭なパワーは、跳ね馬の後輪を介してアスファルトを勢いよく蹴り上げる。

 

パフォーマンスは、0-100㎞/h加速が2.85秒、0-200㎞/h加速は8秒でこなし、ストレートでのトップスピードは340㎞/hに達する。

 

リトラクタブルハードトップの採用で、クーペよりも100㎏車重が増えたことを感じさせない見事なパフォーマンスである。

 

488ピスタ スパイダーは、オープンエアを優雅に愉しむクルマであると同時に、アヴェンタドールSVJのパフォーマンスに肉薄するサーキット志向のマシンでもあるのだ。

 

▶最先端の足回り、甘美なるハンドリング

F1技術からフィードバックを受けた最先端の足回りは、トラクション、スタビリティ、ダンピング、ディファレンシャルなどを統合制御する「サイドスリップ・コントロールシステム(SSC)」の最新版6.0が採用されている。

 

そして注目すべきは、「フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE)」がSSCに組み込まれている点である。FDEは、コーナリング時にブレーキキャリパーの制動圧を調整して、コーナーをより曲がりやすくしてくれる装置だ。

 

このFDEの働きにより、ドライバーはこれまで以上に意のままのハンドリングが可能となる。それは、ドライバーとクルマの意思が繋がっているかのごとく、即時的かつ予見的にクルマが反応してくれるのだ。

 

これぞ現代の、人馬一体。

 

空気を斬り裂くかのような強烈な加速、安心感抜群のブレーキ、電光石火のギアシフト、破綻を許さないトラクション、そして甘美なるハンドリング。

 

ドライバーが欲しいものをすべて備えたクルマだ。

 

ベースとなる488ピスタでは、サーキットでの驚異的なパフォーマンスもさることながら、公道での驚くべき乗り心地の良さを見せつけた。

 

ランボルギーニがエンスー向けとするなら、フェラーリは万人向けのスーパーカーなのだろうか。そして、誰もがその魅力を愉しめるという「万人向け」こそが、これからの新たなスーパーカー像なのかもしれない。

 

▶足元を彩るホイール

足元を彩るホイールは、定番の星形であるが、488ピスタ スパイダーは、5本ではなく10本スポークとなり、よりレーシーなデザインの20インチ鍛造ホイールとなる。オプションで、通常よりも20%軽いワンピースのカーボン製ホイールも用意されるという。

 

▶軽量化が徹底されたコックピット

100㎏の重量増を何とか最小限に抑えるためだろうか、コックピット内はカーボン製パネルやアルカンターラがふんだんに使われている。しかも、フロアカーペットが撤去され、代わりにアルミ製のフットプレートがしつらえられている。さらに、ドアハンドルはストラップに取り換えられる徹底ぶりである。

 

快適性を度外視したハードコアな仕立てですら、カッコよく感じてしまうのは、フェラーリだからこそなのだろう。

 

シフトインディケーターが鎮座するステアリングの先に、鮮やかな黄色のタコメーター。

F-1のオンボード映像が再現されているかのようだ。

 

再びステアリングに視線を戻すと、跳ね馬が躍動している。

 

跳ね馬は「F-1」、猛牛は「戦闘機」をイメージしたコックピット。

どちらも、男にとって、一度は身を埋めてみたいコックピットだ。

 

▶今後の展開

価格や販売時期は、まだ明らかにされていない。なので、日本導入時期も分からないが、日本は世界でも有数の顧客であるから、それほど待つことなくやって来ると思われる。

 

オープンエアで愉しむ最先端の人馬一体は、魅惑の歓びに溢れていることだろう。

 

Photo source:Ferrari

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