いよいよ、正式デビューまでのカウントダウンが始まりつつある、4代目アウディA3。

そんな新型A3の中に、クワッドエキゾーストから響き渡る轟音で、ひと際異様なオーラを放つ新型S3が、スウェーデンで寒冷地テストを粛々と進めているようだ。

A3やS3のベースとなる新型の8代目ゴルフも、来年のデビューに向けて、着々と準備を進めている。なにせ、VWグループのベストセラーにして、VWのアイコン的存在でもあるから、力の入れようは並ではない。

世界一の自動車ブランドVWが、自社の威信をかけて開発するゴルフ。そんなエースで4番のクルマをベースとするアウディA3には、嫌がおう無しでも期待が膨らむ。

ましてや、新型S3に至っては、エンスーが知りたくて知りたくてたまらない存在だ。

では早速、新型S3の続報をお伝えしよう。

▶新型Q3に近い？外観

新型S3の外観は、最新のアウディデザインを踏襲すると思われ、最近発表された新型Q3をよりコンパクトかつスポーティにしたフォルムを纏うだろう。

フロントマスクは、LEDヘッドライトでアウディらしく精悍て近未来感漂うデザインに。そして、フロントバンパー下部には、両サイドに存在感抜群の大きなエアインテークを備える。もちろん、リアのクワッドエキゾーストは必須。周囲を威圧するような、勇猛な雄叫びを轟かせてくれるだろう。

ボディサイズは、8代目ゴルフのワイドトラック化、ホイールベースの延長により、2代目A1のように、大型化するのは必至。ワイドトラック化によって、走行安定性は向上し、ホイールベースの延長で、キャビンは広くなり快適性はこれまで以上に向上するだろう。もちろん、ラゲッジスペースも拡大するはずだ。

実用性と快適性を追求するボディの大型化により、2代目A1と同じく、3ドアは廃止される。ボディの大型化に伴い、これまでメルセデスのCクラスや、BMW3シリーズを乗っていたオーナーが、乗換リストにA3やゴルフを候補に加える可能性は大いにある。A3やゴルフは、実用性や快適性の面で、とうとうCクラスや3シリーズのレベルまで達しそうなのだ。

▶S3には48Vマイルドハイブリッドが搭載か

現行のS3は、以外にも、ゴルフRよりも非力なのだ。ゴルフRの310ps(欧州では300ps)に対し、S3は290ps。ゴルフRの方が、20psも上回っている。

8代目ゴルフの「GTI」や「R」に搭載されるという48Vマイルドハイブリッドシステムは、ベルトドライブ式のスタータージェネレーター（SGM）と48V電源システムを用いたものだ。小型のリチウムイオンバッテリーは、車体の床下に収められるという。

このSGMにより、低回転からのパワフルな加速とトップエンドでの更なる伸びが期待される。気になるパワーであるが、新型GTIが現行モデルからパワーアップすることが確実であることから、新型ゴルフRや新型S3のパワーアップも間違いないだろう。

そして何より、SGMの登場により、エンジンレスポンスは劇的に進化し、これまで以上に、どんな状況からでも意のままに加速してくれるはずだ。繰り返すが、どんな状況からでも意のままに加速してくれることほど、運転していて気持ちい瞬間はない。そして、愉しい。

▶現行とは別物のデジタルインテリア

新型A3 / S3のコックピットは、現行から激変。A3のアイコン的存在だった丸形のエアコン送風口は、角ばったデザインへ。そして、ダッシュボード上に、「ひょっこりはん」のように、飛び出たMMIインフォテインメントディスプレイは、センターコンソールに内蔵される。

そして、このMMIタッチスクリーンが埋め込まれたセンターコンソールは、ドライバーの方向へと傾き、ドライバーは今まで以上に操作しやすくなる。まさしく、ドライバーオリエンテッドなコックピット。とても好ましいデザインチェンジだ。

もちろん、メータークラスターをはじめ、目で見るモノ、手で触れるモノのほとんどがデジタル化され、物理的なスイッチ類も最小限に抑えられる。その分、価格も上がることは覚悟しなくてはならない。

さて、新型S3のステアリングは、もちろんフラットボトム。R8のように、「真っ赤なエンジンスターターを、ステアリングの右下に装着したりなんかして…」のような、エンスーの心をくすぐる演出をしてくれるだろうか…

▶今後の展開

新型A3は、2019年前半のデビューが予定されている。新型S3は、2019年後半か2020年初頭のデビューとなりそうだ。

Photo source：Audi