メルセデス初の市販EV「EQC」発表 (前編)

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メルセデスベンツは、同社初となる市販EV「EQC」をスウェーデンのストックホルムで発表した。EQCは、メルセデスベンツのEV専門の新ブランド「EQ」の第1号車でもある。

 

EQCは、2016年のパリモーターショーで「ジェネレーションEQ」という名のコンセプトモデルとして披露された。そして、2019年中頃に発売される予定である。

 

メルセデスはEQCを皮切りに、「EVビッグバン」である2025年までに10車種のEVを市場に投入し、EVの売り上げ割合として全体の15%から25%を目指す計画を立てている。

 

それでは早速、メルセデス初となるEVコンパクトSUV「EQC 400」を見ていくこととしよう。

 

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▶メルセデスEVの新デザイン

外観は、現行のメルセデスには見られないデザインが施されている。マルチボーダーとなった新しいフロントグリルの周りは、グロスブラックのパネルで覆われている。

 

ヘッドライトの形状も、最新のメルセデスデザインの釣り眼的なものとは一線を画している。印象的には、控えめな感じがするが、ヘッドライト内のブルーのLEDライトが未来的なEVであることを強く印象付けるのではないだろうか。

 

テールライトは、最新のメルセデスデザインからさらに細く一直線にボディ両サイドに伸び、さならが最新のポルシェデザインと見まがうようなデザインだ。

 

ホイールは、堂々たる存在感の19インチから21インチが用意され、ブルーのラインがアクセントを利かせる。

 

ボディサイズは、全長4,761mm × 全幅1,884mm × 全高1,324mm。ベースとなるGLCよりも105mm長く、315mm低いため、見た目の印象はよりスポーティなものとなるだろう。もっとも、スポーティな見た目とは裏腹に、車重は相当ヘビーな2,425kgだ。

 

ホイールベースは、GLCと同じ2,873mm。ラゲッジスペースは、通常時で500ℓを確保。SUVとしての実用性も十分にアップグレードされている。

 

▶前後2つのモーターを搭載するパワートレイン

プラットフォームは、GLCのプラットフォームをベースに大幅な改良を実施。

 

ポルシェ タイカンと同じように2基のモーターをそれぞれ前後のアクスルに配置し、重量650㎏の80kWhのリチウムイオンバッテリーを車体の床下に搭載する。

 

2基の前後モーターの出力は、408ps(300kW)/765Nmを発揮し、4輪全てを駆動する。エンジンパワーの特性は、5つのドライブモードで調整する。

 

パフォーマンスは、0-100㎞/h加速は5.1秒、最高速度は控えめの180㎞/h。

 

前後のモーターは、電力消費を抑えつつハイパフォーマンスを発揮させるため、それぞれ違った個性が与えられた。フロントモーターは、低・中負荷の範囲で主に駆動し、エネルギー効率を最大化する。一方のリアモーターは、フロントモーターよりも大きくパワフルな構造となり、スポーツモードや高負荷の範囲で駆動するよう設計されている。

 

前後にモーターを搭載し、車体床下にバッテリーを収納することで、理想的な前後重量配分と低重心化が強化され、SUVとは思えぬスポーツドライビングを愉しませてくれるのではないだろうか。

 

▶5つのドライブモード

先ほど触れた5つのドライブモードは、「コンフォート」、「エコ」、「マックスレンジ(最長航続)」、「スポーツ」、「インディビジュアル」となる。「エコ」や「マックスレンジ」のような省エネモードを選ぶと、アクセルペダルがドライバーの足裏を押し戻すような動作でフィードバックを行い、ドライバーに省エネ運転を促す。また、ドライバーはステアリングの裏側に備えられたパドルを使って、回生エネルギーのレベルも調整できる。

 

一方、「スポーツ」では、0-100㎞/h加速4.9秒を誇るAMG GLC 43 4MATICに匹敵する俊足ぶりを発揮し、低重心な構造によってコーナーでは切れ味鋭いハンドリングを提供してくれそうだ。

 

EQC 400は、一台で、相当に両極端なキャラクターを味わえるオールマイティなクルマかもしれない。(続きは後編へ

 

Photo source:Mercedes-Benz

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