ポルシェ、ディーゼルの今後の開発と生産を終了

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ポルシェは、今後ディーゼルモデルの開発と生産をしないことを発表した。このディーゼル廃止の決定は、ドイツの高級ブランドとしてはポルシェが初めてとなる。

 

ポルシェのディーゼルモデルは、パナメーラ、カイエン、マカンの3車種で現在展開されているが、今回の決定により、新たなディーゼルモデルの展開はなくなる。

 

ポルシェは、2009年にカイエンにディーゼルを初めて導入して以来、わずか9年でその寿命を終えることとなった。

 

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▶ディーゼル廃止の背景

ポルシェのディーゼル廃止の背景としては、ディーゼルの売上の低下とより厳しくなった新排ガス規制「WLTP」導入、そして一連のVWグループのディーゼル不正問題にある。

 

この点、ポルシェは、「パナメーラの欧州での売上の63%がハイブリッドモデルである」ことを引き合いに出し、顧客の需要がハイブリッドやEVなどの電動化モデルに急速にシフトしていると説明。

 

一方のディーゼルは、元々ポルシェの主力エンジンではなかったことに加え、2017年度の売上は全体のわずか12%と芳しくなく、今後のポルシェの成長戦略からは戦力外とみなされたようだ。

 

これからのポルシェの屋台骨は、ガソリンエンジンと電動化モデルの2本となる。とはいえ、ハイブリッドやEVに関しては一からの開発となるため、ガソリンエンジン以上の研究開発資金が投入される。

 

▶進む電動化モデルの開発

ポルシェは2022年までに、当初予算の2倍以上となる約8,000億円(2018年9月24日時点)以上を電動化モデルの開発に投じる。そして、この巨額の資金はタイカンの開発はもちろん、現行モデルのハイブリッド化やEV化、生産工場の拡大、EV用の新しいテクノロジーの開発、急速充電ステーションの整備などに使われ、今後のポルシェの成長に盤石な基礎を築く。

 

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さらに、2025年までには、ポルシェの全てのモデルにハイブリッドないしEVモデルを用意する計画だ。順調に売上が伸びれば、2025年の初めごろには、売上全体のおよそ25%が電動化モデルで占められる可能性があるという。

 

とはいえ、ポルシェの原点である心震わすパワフルな「水平対向6気筒」については、引き続き進化を続けるようだ。つまり、ディーゼルと同じ内燃機関のガソリンエンジンは、しばらく続くのは間違いない。エンスー達にとっては朗報だろう。

 

▶VWグループでのポルシェの立ち位置

ポルシェは、今後VWグループの高級ブランドを束ねる役割を担うという。ブガッティ、ランボルギーニ、ベントレー、アウディは、ポルシェの指揮の元、魅力的なクルマ造りを展開していくことになる。目先の課題は、各ブランドが自らの個性を生かした電動化モデルをいかに創り上げていくかになるだろう。

 

この点、4ブランドのうち、売上の苦戦が噂されているベントレーとアウディには、ポルシェ流の魅力的なクルマ造りやブランディング、ラインアップの見直しについての指南がなされるかもしれない。

 

Photo source:PORSCHE

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