メルセデスベンツは、Aクラスのトップモデル「AMG A35」を現在開催中のパリモーターショーで発表した。しかし、Aクラスのフラッグシップモデルは「AMG A45」である。2代目となる新型AMG A45は、来年のデビューに向け、着々と他を寄せ付けないような進化を遂げているようだ。
怪力エンジン、最新のトランスミッション、過激な演出の4MATIC+。
2代目AMG A45は、A35とは似ても似つかぬ、雲の上の存在のようなクルマへと仕上げられている。もちろん、他を圧倒するようなパフォーマンスで。
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▶400ps超の怪力エンジン
A45のエンジンは、M139型という2.0ℓ4気筒ターボを搭載。A35のM260型とは全くの別物で、ハイパワーを前提としたA45専用の怪力エンジンだ。現行のA45は、381ps/475Nmを発揮し、発売当時は量産4気筒ターボエンジンとして世界一パワフルなエンジンの称号を得た。
2代目A45のエンジンパワーは、400ps/500Nm超となり、ホットハッチ最強のパワーを誇るアウディRS3(2.5ℓ5気筒ターボ:400ps/480Nm)を追い抜き、再びパワーで世界一の称号を手にするだろう。
そして、パフォーマンスも、0-100㎞/h加速は、現行の4.2秒から4.0秒以下となり、最高速度は、現行の250km/hから限りなく300km/hへと近づくだろう。RS3の4.1秒、280㎞/hを追い抜く韋駄天ぶりを期待したい。
▶新開発の8速DCTを搭載
ハッチバックではなくスポーツカーに搭載するようなエンジンを備えたA45には、怒涛のパワーをしっかり受け止め、素早く四輪全てに伝えるトランスミッションが不可欠。AMGが出した答えは、新開発の8速AMGスピードシフトDCTを搭載させるというものだ。
ギアが一つ増えたことで、これまで以上にシームレスで素早いシフトチェンジか可能となる。実用面では、あまりパワーを必要としない街乗りでも、7速よりも扱いやすく、マナー良く走れるようになる。
▶4MATIC+で新たな楽しみが追加
2代目A45の4WDシステムは、A35に採用されている電子制御多板クラッチ式の「4MATIC」ではなく、電子制御カップリング式の「4MATIC+」となる。その結果、前後トルク配分は50:50~100:0で走行状況に応じてシームレスにトルクが配分される。この4MATIC+は、AMG E63譲りの最新型4WDであり、「ドリフトモード」という過激なエンターテイメントを備えている。
ドリフトモードは、RACEモードでESPをOFFにすると起動し、タイヤスモークを上げながら、非日常を思う存分楽しめる。ちなみに、このドリフトモードは電子制御式なので、高度なドライビングテクニックを持たない一般のドライバーでも、容易にドリフトを楽しめるようになっている。
ドリフトモードは、そうそう使う機会はなさそうだが、こんな機能が備わっていることで、A45の特別感がどんどん増すのも事実だろう。
▶メルセデスの真価を発揮する走り
2代目A45は、400ps超の怪力の持ち主だ。ハッチバックという小柄な体躯に不釣り合いな怪力を余すことなく路面に伝え、コントローラブルなマシンへと仕上げる。そのため、AMGは現行のA45とは別物と感じるほどの大幅な改良を施している。
徹底的に煮詰められた新たなシャシーは、走り一辺倒ではなく、メルセデスらしいフラットで快適な乗り心地についても、一層の進化を図っているようだ。新開発のサスペンションにより、街中で流しているときは、あたかもCクラスに乗っているかのような上質な乗り心地を提供してくれるだろう。
日常使いではCクラスのように落ち着いているが、高速道路やサーキットではポルシェケイマンも圧倒するようなパフォーマンスを見せつける。
両極端なキャラクターを持ち合わせるA45 。とても魅力的なクルマだ。
▶A45専用のMBUX
「Hey, Mercedes!」でお馴染みのインフォテイメントシステムであるMBUXには、A45専用にレーシーな雰囲気を盛り上げる新たなメニューが追加されるようだ。
ちなみに、AMG専用メータークラスターには、「クラシック」「スポーティ」「スーパースポーツ」という3種類のメーター表示が備わる。加えて、ブースト圧、トルク、出力、Gフォースの表示もすることができ、街乗りであっても十分にレーシーな雰囲気を感じながらドライビングを愉しむことができる。この演出でも、ライバルに比べると十分以上の出来だが、A45はそのさらに上を行くというのだから、期待せずにはいられない。
▶今後の展開
未確認情報が多い中でも、2代目A45は明らかに他を圧倒するパフォーマンスとクオリティを備えるだろう。ライバルも、中々この領域に辿り着くのは難しそうだ。
その証拠に、AMGファンにはヨダレモノの情報を一つ。400ps超を誇る2代目AMG A45のさらに上を行く「AMG A45 S」なるものが控えているというのだ。ライバルを凌駕するとは、まさにこういうことを言うのだろう。
「ホットハッチ」のパイオニアであるゴルフGTIを基準に考えると、AMG A45は「スーパー ホットハッチ」。「AMG A45 S」に至っては、「ハイパー ホットハッチ」と言っても過言ではないだろう。
さて、フォルクスワーゲンは、同じく400ps超が噂されるゴルフR420でAMG A45を返り討ちすることができるか。2019年、「ビヨンド ホットハッチ」の戦いが面白くなる。
Photo source: Mercedes-Benz
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