フェラーリ412復活か、「プロジェクト・ポニー」

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イタリアの高級カスタムカーブランド「アレス・デザイン」は、フェラーリGTC4ルッソをベースにした「プロジェクト・ポニー」を生産する。

 

「プロジェクト・ポニー」とは、外観はフェラーリ412をモチーフにし、中身はフェラーリGTC4ルッソをベースとする新旧フェラーリ「2+2シーター」を巧みに融合させた高級カスタムカーだ。

 

かつてのフェラーリ「2+2 シーター」は、決して人気があった訳ではない。356GT4、400i、412。しかし、時が経つと、「人気がない」が「レア」に変貌する。魔訶不思議だ。世界中のフェラーリコレクターには、人気がなかった412は、今や、貴重な「レア」フェラーリなのだ。

 

そんな「レア」な412を、アレス・デザインが現代に蘇らせる。「プロジェクト・ポニー」と名付けられたアレス・デザインの新作は、一体どのようなクルマなのか。

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▶フェラーリ412を忠実に再現したスタイリング

「プロジェクト・ポニー」は、1980年代に製造されたフェラーリ412の寸法を、コンピューターで精緻に計測。その精確な計測結果に基づき、カーボン製ボディパネルを製作し、懐かしいフェラーリ412の姿を忠実に再現する。

 

412の特徴的な、長方形のヘッドライト、ボンネット中央部のエアベント、そして角ばったボディ。見た目は、さすがに、しぶい。ポリスの「見つめていたい」をBGMに、時代を感じる、いぶし銀だ。しかし、ボディは、ほぼフルカーボン製。現代の文明の利器で、オリジナルとは比べものにならないくらい、軽い。ボンネットの下に、最新のフェラーリV12が搭載されていることを考えると、「プロジェクト・ポニー」は、間違いなく速い。見た目からは、想像できないくらい。

 

一方のインテリアは、こちらも見事にオリジナルを再現している。80年代の懐かしいデザインが、21世紀のテクノロジーと高級なマテリアルで、初々しく生まれ変わっている。

 

往年の名車を現代に蘇らせると言えば、同じく、イタリアの「アウトモビリ・アモス」も忘れてはならない。今年9月に発表した、「ランチア デルタ フトゥリスタ」は、能書き無しで、カッコ良い。エンスーが唸る出来栄えだ。新しく創る、復刻する。いずれにおいても、抜きん出たデザイン力を持つ、イタリア。すべてのデザインは、イタリアに通ず。

 

関連記事:伝説の未来形、ランチア デルタ フトゥリスタ

 

▶ボンネットの下のスーパーカー

「プロジェクト・ポニー」のボンネットの下には、フェラーリGTC4ルッソの6.3ℓV12が収まる。パワーは、690ps/697Nmを発揮。0-100㎞/h加速は、3.4秒。最高速度は、344km/h。ラ・フェラーリより、たったの5㎞/h低いだけ。めちゃくちゃ、速い。言葉は悪いが、どんくさそうな見た目からは、想像できない速さだ。

 

しかも速いだけではない。7速F1 DCTで四輪全てにパワーが伝達される。どんな天候であろうが、悪路であろうが、お構いなし。数少ない、実用的なフェラーリだ。さらに、四輪操舵まで装備。実用性がありながら、走りの愉しみにかけても、一切の妥協がない。

 

「プロジェクト・ポニー」という車名に、いかにも鈍そうな見た目。しかし、どこでも速く走れる、スーパ―カーのエンジンとシャシー。見た目と呼び名で期待値を下げておいて、ステアリングを握った瞬間の驚きと感動を倍加させる。「アレス・デザイン」の狡猾な販売戦略かもしれない。

 

▶今後の展開

「プロジェクト・ポニー」は、1台1台、顧客の要望に基づき、手作業で組み立てられるコーチビルディング。価格は、1台およそ1億円からとのこと。デリバリーは、2018年の年末頃から開始される。

 

今月発売された「アレス・パンサー」は、21台の限定生産。外観はデ・トマソ・パンテーラをモチーフにし、中身はランボルギーニ ウラカンをベースとする。

 

関連記事:デ・トマソ・パンテーラの再来か、アレス・パンサー

 

見た目と中身のギャップに驚く「プロジェクト・ポニー」は、「アレス・パンサー」の成功に続くことができるか…

 

Photo source:ARES Design

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