新型BMW M8、600ps超の4WDで9月発売か:後編

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これまでBMW史上最強最速であったM5コンペティション。新型M8コンペティションは、M5コンペティションの上を行くパフォーマンスを実現した。BMW史上最強最速の新型M8の足回りとは。

 

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▶サーキット志向の足

BMWの「M」モデルの足回りについて話がされるとき、必ず引き合いに出されるのがアルピナの足だ。両社の足は真逆の性格。BMWは、他モデルにはない「M」の個性を明確に主張すべく、足回りは必然的にゴリゴリのサーキット志向となる。なので、硬い。一方のアルピナはと言うと、公道でいかに快適に速く走るかを追求してチューニングされているため、至極快適というか上質。しかし、コーナーなど踏ん張るべきところではしっかり踏ん張る。パンチのある走りもいいが、やはり我々の世代にとっては、アルピナのセッティングの方が好ましいだろう。閑話休題。

 

8シリーズの足回りは、ルマン24時間耐久レースに参戦したM8GTEで鍛え上げられたノウハウが注ぎ込まれている。新型M8やM8コンペティションでは、ノーマルの8シリーズで丸く優しく躾けられていた走りを、およそ2年に渡るBMWのミラマス・テストセンターやニュルブルクリンクサーキットでの走り込みで、より俊敏でダイナミックな走りへと躾け直している。

 

フロントはダブルウィッシュボーン式サスペンションが、リアは5マルチリンク式サスペンションが装着される。そして、電子制御式アダプティブMサスペンションにより、ドライバーは雑味の無いより正確な路面状況が把握でき、アクティブMディファレンシャル(BMW版トルクベクタリング)とDSC(ダイナミック スタビリティ コントロール)の協調により、回頭性に優れたハンドリングが可能となり、高速コーナリングを軽快にこなす。

 

加えて、新型M8に採用されているブレーキも秀逸。このブレーキは、「コンフォート」と「スポーツ」という2つのモードが選択できる。日常使いの時は「コンフォート」でOK。穏やかなブレーキングでストレスなく街中を走れる。ハイパフォーマンスモデルのブレーキは効きが良いが、日常使いでは「効き過ぎ」と感じることが多々ある。「コンフォート」を備えた最新のブレーキシステムは、痒い所に手が届く嬉しいアイテムではないだろうか。もちろん、本気モードの「スポーツ」はサーキット走行に対応するリアルガチな走り屋バージョン。ブレーキ一つをとっても、静と動を使い分けられる技術力には脱帽である。

 

ホイールは、新型M8が19インチで、新型M8コンペティションが20インチとなる。

 

Source:BMW

 

▶「駆け抜ける歓び」を体現するインテリア

コックピットはまさしくスポーツカーというデザインで、BMWの他のモデルよりも低く設置されたシートにより、包まれ感が増している。

 

フルデジタルの12.3インチのメータークラスターは、運転中に情報が直観的に得られるよう表示が工夫されており、メーターの左側には速度計と速度表示があり、右側にはエンジン回転計とシフト表示があり、中央部にはナビが表示される。

 

これまでのようにナビを確認する際に視線を移す必要がなくなり、運転により集中できるコックピットとなっている。また、ドライバーの真正面に鎮座する最新型のヘッドアップディスプレイは、通常より16%大きくなっており、3Dグラフィックも表示できる。

 

M5とは違うギアレバーのすぐ傍のスターターを押すと、クワッドエキゾーストから轟音が響き渡る。パドルシフトの横に煌めく真紅の「M1」と「M2」のボタンで、自分好みのセッティングへ瞬時に切り替える。あとは、「駆け抜ける歓び」へ向かって、アクセルを踏み込むだけ。

 

▶エレガントだが大きな体躯

新型M8は、精悍な顔つきに、スポーツクーペのお手本のような流線形のシルエットが美しい。エレガント、そのものである。しかし、新型M8は、やはりデカい。全長4,867mm(+24mm) ×全幅1,907mm(+5mm)×全高1,362mm(+21mm)となり、通常の8シリーズより長くワイドになっている。なお、ホイールベースは、2,827mm(+5mm)となる。それにしても、全長およそ4.9m×全幅およそ2.1m(ミラーを広げた状態)のボディは、やはり気を遣うサイズだ。

 

ボディの大きさにどうしても目が行ってしまう新型M8であるが、ボディの材質にはアルミやマグネシウムやCFRPを採用することで、軽量化を徹底。キドニーグリル内のフラップと、車体の裏側全体をアンダーパネルで覆うことでエアロダイナミクスの向上も図っている。

 

ルーフは「ダブルバブル」というルーフ中央部が凹んだクラシカルなレースカーをモチーフとしたデザインを採用。ルーフ素材には、CFRP(カーボンファイバー強化樹脂)を採用することで低重心化をより一層強化している。ちなみに、コンバーチブルの多層式ソフトトップは、開閉までわずか15秒とのこと。

 

▶今後の展開

新型M8の公式デビューは、6月25日から27日にかけてミュンヘンで開催されるBMWグループの「「#NEXTGen プレゼンテーション プラットフォーム」というイベント。その後、9月に開催される「フランクフルトモーターショー」で、一般公開される。

 

気になる発売時期は、欧州を皮切りに9月中からの開始が予定されている。価格は、新型M8クーペがおよそ1,440万円から、新型M8コンペティション クーペが1,580万円から。コンバーチブルは、通常モデルが1,542万円からで、コンペティションが1,682万円からだそうだ。

 

さあ、日本導入はいつ頃になるのやら。

 

 

Photo source:BMW

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