メルセデスの完璧なSUV、新型GLE (後編)

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2代目となる新型GLEは、ライバルのX5を凌ぐEQブースト搭載のパワフルなエンジンと、Sクラスのマジックボディコントロール以上と思われる最新のサスペンションを手に入れた。

 

それでは、快適性や実用性、そして運転支援装備はどのような進化を遂げているか、見ていくこととしよう。

 

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▶快適性と実用性に磨きをかけたキャビン

新型GLEのプラットフォームは、MHAプラットフォームを採用。MHAプラットフォームとは、CクラスやEクラスなどのMRAプラットフォームを改良し、悪路走破が求められるSUV用に高いロードクリアランスを確保したものである。

 

新型GLEのプラットフォームは、ホイールベースが80mm拡大され、2,995mmとなった。ホイールベースが3m近くなったことで、後席のレッグルームが69mm(およそ7㎝)拡大し、これまでよりも格段に快適になっていると思われる。しかも、オプションで後席にパワーシートを設定することまでできる。さらに、オプションで2人乗車可能な3列目シートも設定でき、子だくさんの家族もみんな一緒に遠出ができる。

 

大きくなった室内空間により、ラゲッジルームは先代よりも125ℓ拡大し、825ℓを確保。後席を倒せば、最大2,055ℓという巨大なラゲッジスペースが生まれる。この容量は、「通常時645ℓで最大1,860ℓ」の荷室容量のX5を完全に凌駕。

 

広々としたくつろぎの室内空間と巨大なラゲッジスペース。SUVに求められる快適性と実用性は文句なしだ。

 

▶先進の運転支援装備

最新の運転支援装備としては、「アクティブ・テイルバック・アシスト」というものがある。これは、高速道路などで走行中、システムが渋滞を検知すると、自動で時速100キロまで減速させ、ドライバーに渋滞の発生を知らせ、前方車両への追突を予防するものである。

 

そして、いったん渋滞の列に入ると、同一車線内で前方車両と安全な車間距離を維持しながら、時速60キロまで自動で速度調整をしてくれる。渋滞にはまった時には、非常にありがたい装備だ。また、渋滞の解消が検知されると、自動で渋滞前のスピードまで加速する。ただし、このスピードはプリセットしておく必要がある。

 

日頃から安全運転を心掛けていても、ロングドライブでは疲労や渋滞によるイライラなどで、ついつい注意力が落ちてしまうのも事実。そんな時、先進の運転支援装備は、自他の安全を確保し、笑顔でレジャーを終える手助けをしてくれる。まったくの頼りきりは問題であるが、自分の注意力が及ばないところをサポートしてくれる分には、やはり非常にありがたい。

 

▶オーソドックスな外観、先進のインテリア

外観は、これぞSUVというオーソドックスなものであり、見た目よりも中身で勝負という印象だ。フロントは、先代よりも大きくなったフロントグリルとシャープなLEDヘッドライトへとデザインが変更されている。リアは、テールライトがよりスリムになっている。総じて、劇的な変化はないものの、よりスポーティなデザインになっている。

 

一方の内装は、メルセデスの最新のデザインコンセプトが貫かれ、コックピットのインストゥルメントパネルは、12.3インチの高精細ワイドディスプレイ2枚が1枚のガラスカバーで視覚的に融合したワイドスクリーンコクピットになる。

 

このワイドスクリーンコックピットには、最新式のMBUXインフォテイメントシステムが装備される。最新式のMBUXは、ボイスコントロールだけでなく、ジェスチャーコントロールにも対応する。

 

室内は、上質な木目調パネルや金属パネル、レザーで覆われており、高級感漂う仕立てとなっている。

 

外観は控えめな変化に留まったが、エンジンやインテリアを含むすべての中身が、他のSUVを寄せ付けないぐらいの先進性と完成度を備えている。

 

新型GLEの出来栄えには、「神は細部に宿る」という表現が相応しいとつくづく思う。

 

▶今後の展開

新型GLEのエンジンスペックの詳細や、ラインアップは後日公表される。新型GLEのワールドプレミアは、10月に開催されるパリモーターショーとなる。発売は、2019年の春を予定しているそうだ。

 

EQブーストを搭載した新型「GLE 450 4MATIC」はもちろんであるが、その後に控えている「飛躍的に航続距離が伸びた」プラグインハイブリッドモデルも注目しないわけにはいかない。先日、X5のプラグインハイブリッドが発表された。モーター単体で80㎞航続可能であるという。これは、先代よりも3倍以上の航続距離になる。わずか数年での飛躍的な進歩だ。

 

今後のEVシフトのことを考えると、プラグインハイブリッドのモーター単体の航続距離は、メーカーが現段階でどの程度のEV技術を持っているかの試金石となるだろう。EVでリーディングカンパニーを目指すなら、是非とも他社より一歩先の航続距離を見せつけたいところだろう。

 

さあ、メルセデスはBMWの航続距離80㎞を超える数値を叩き出すことができるか。

 

Photo source:Mercedes-Benz

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