ゴルフR420プロジェクト、着々と進行中

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9月に、ニュルブルクリンクサーキットでその姿が目撃されたゴルフR420プロトタイプ。10月に入って、またしても、ニュルブルクリンクサーキットでその姿を現したようだ。

 

今年で60周年を迎えた伝統あるドライビングスクール「スクーデリア ハンセアト」に、堂々と姿を現したのである。

 

このスクールは、ニュルブルクリンクのグランプリコースと、北コースを使った4日間のスクールで、サーキットで速く走るために必要な知識や技術を経験豊かな教官から教わるというもの。そして、最終日には、グランプリコースでの走りを教官が採点し、評価までしてくれる。エンスー達には、たまらなく贅沢なスクールだ。

 

今年の「スクーデリア ハンセアト」は、3月下旬と9月下旬に開催された。ゴルフR420はどうも、パリモーターショー直前、9月下旬の「スクーデリア ハンセアト」に、一般の参加者に交じって参加していたようなのだ。外観はプロトタイプということもあり、楕円形のエキゾーストパイプ以外は、現行のゴルフRそのもので、参加者も全く気付かなかったようだ。

 

ホットハッチの本家本元として、悠然とその姿を世間に晒すこの余裕たるや。先頃、情報がリークした「スーパーホットハッチ」こと、2代目AMG A45への紳士的な挑戦状ではないか。

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▶R420の実現性は、これでほぼ確実か?

この1ヶ月の間に、2度も姿を現したゴルフR420。目の肥えたエンスー達の楽園「ニュル」で敢えて人の目に晒す狙いは、プレオーダーによって、発売と同時に完売することではないかと思われる。

 

ブガッティ ディーボのように、太い顧客に事前に詳細な情報を提供し、正式発表時にすでに完売、という算段だ。とはいえ、ディーボのような億万長者が顧客というわけでもなさそうなので、「発売後早々に完売」が現実的か。気になる生産台数は、もちろん、限定。車名にちなんで、全世界で420台?…

 

これ以外にも、ディーゼル不正問題で、およそ1兆2千億円という多額の損害賠償をめぐる株主代表訴訟が提訴されている最中での、このパフォーマンスである。

 

どうだろう、ゴルフR420は、間違いなく来年の春頃に、その姿を現すと見て良いのではないだろうか。

 

▶ゴルフ史上最強の内燃機関

ゴルフR420は、400ps/480Nmを発揮するEA888型2.0ℓ4気筒ターボにさらに20ps上乗せした、420psのゴルフ史上最強のターボエンジンを搭載する。

 

トランスミッションは、R420専用のシフトプログラムが施された7速DSGが組み合わされ、より敏捷性に富んだ4MOTIONを介して、アスファルトの上で華やかに舞う。

 

パフォーマンスは、0-100㎞/h加速が、R400の3.9秒を凌ぐ3.7秒。最高速度は280㎞/h超えが予測され、限りなく300㎞/hに迫るハードコアな速さを見せてくれるのではないか。そうなれば、ホットハッチを超えた「スーパーホットハッチ」の誕生である。

 

関連記事:ゴルフR420プロジェクト再開か

 

▶ライバルの2代目AMG A45は「超」手強い

ゴルフR420のライバルは、同門のRS3を除けば、ただ一台、メルセデスAMG A45だ。2代目AMG A45は、発売当時、381ps/475Nmを発揮する世界一パワフルな量産4気筒ターボエンジンの称号を手に入れた。2代目では、世界一の怪力4気筒ターボをさらに進化させたエンジンを搭載する。

 

2代目A45のエンジンパワーは、400ps/500Nm超が見込まれる。パフォーマンスは、0-100㎞/h加速が、現行の4.2秒から4.0秒以下となり、最高速度は、現行の250km/hから限りなく300km/hへと近づくだろう。

 

そして、新開発の8速AMGスピードシフトDCTと、AMG E63譲りの電子制御カップリング式の「4MATIC+」を組み合わせ、「ドリフトモード」というハッチバックの領域から飛び出す走行性能とエンターテイメントで、ドライバーを唸らせてくれる。

 

さらに、ゴルフR420よりも上質なインテリア、レーシーな雰囲気を盛り上げてくれるAMG専用メータークラスターなど、フォルクスワーゲンではできないことを、これでもかというくらいやってくれるだろう。

 

性能は、ほぼ互角。愉しさは、AMG A45がややリード。しかし、価格の面で、ゴルフR420が巻き返す。来年は、この2台による見応えあるデッドヒートが、ホットハッチファンの注目の的となるに違いない。

 

関連記事:スーパーホットハッチ、2代目AMG A45来年発売

 

Photo source:Volkswagen

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