新型ジャガーFタイプ、BMW製エンジン搭載へ

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現行の初代ジャガーFタイプのデビューは、2013年。今年は、2018年。ジャガーFタイプは、今年で5歳になる。クルマの世界では、そろそろフルモデルチェンジの時期だ。

 

ジャガーの母国イギリスでは、BREXITの交渉難航で、国民をはじめ、あらゆる産業分野が今後の先行きに不安を抱えている。もちろん、自動車業界も。そんな中、2020年頃のフルモデルチェンジが待たれるFタイプに、コードネーム「プロジェクト ジェニファー」という奇妙な名前の計画が、水面下で進んでいるらしい。困難な時こそ、ユーモアで乗り越えようとするイギリス人の気質の表れだろうか。

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▶「プロジェクト ジェニファー」で新しい息吹を

コードネーム「プロジェクト ジェニファー」とは、2代目FタイプSVRに搭載される新型エンジンの計画を意味する。2代目FタイプSVRでは、現行のフォード製5.0ℓV8スーパーチャージドエンジン(575ps/700Nm)から、新たな息吹、BMW製4.4ℓV8ツインターボエンジンへと刷新される。

 

BMW製4.4ℓV8ツインターボエンジンは、新型のX5(468ps/650Nm)、8シリーズ(530ps/750Nm)、M5(600ps/750Nm)でお馴染みのハイパワーエンジンだ。しかも、燃費性能にも優れる。バイエルンのエンジン屋が造った優等生だ。

 

パフォーマンスと燃費を高次元で両立していることが、「プロジェクト ジェニファー」を推進する理由である。そして、このBMW製エンジンは、JLR(ジャガー・ランドローバー)グループの他のSVRモデルへと展開される。再び、BMW製のエンジンを搭載したレンジローバーに乗れる日が、やって来るのだ。興奮、興奮。

 

2代目FタイプSVRのパワーは、最高出力はM5をやや下回り、トルクはM5と同等になるのではないかと予測する。パフォーマンスは、0-100㎞/h加速が3.0秒台前半と言ったところか。ライバルのポルシェ911を脅かすようなスペックを備えることが、SVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)のエンジニアたちのミッションだろう。

 

そして、ジャガー版アルピナの「リスター」が、遅れて、相当パンチの効いたFタイプをデビューさせるだろう。これも、見逃せない一台になりそうだ。

 

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一方、2代目Fタイプの4気筒モデルは、JLR製のインジニウムエンジンのアップグレード版が搭載される。これまで以上にパワフルで、エコなエンジンへと進化するはずだ。

 

それにしても、コードネーム「プロジェクト ジェニファー」の名前の由来がよく分からない。フォード製からBMW製エンジンへの刷新という観点からは、どう考えても「ジェニファー」という女性の名前は浮かばない。Fタイプのデザインチームトップを務める、イアン・カラム氏の奥さんの名前か。それとも娘さんの名前か…

 

▶フルEVモデルもラインアップに加わる

2代目Fタイプには、フルEVモデルも展開されるようである。すでに、Iペースで大成功を収めているジャガー。これまで培った成功のノウハウをつぎ込み、Fタイプでも必ずや成功してくれるだろう。

 

2代目FタイプのEVモデルは、前後に2つのモーターを搭載。トータルパワーは、408ps(300KW) /700Nm を発揮。100kWhのリチウムイオンバッテリーを車体中央部床下に搭載し、低重心を強化。ガソリンエンジンに勝るとも劣らない、軽快なハンドリングとフットワークの実現を図る。

 

発売時期は、2023年頃だそうで、思ったよりも時間のかかる上市計画だ。

 

2+2シーターへ

2代目Fタイプは、「D7bエボリューション」という最新のアルミ製プラットフォームを採用する。一番の特徴は、その軽さ。現行モデルより、どの程度軽くなるかは、現状では分からないが、BMW製のハイパフォーマンス&低燃費のエンジン特性を十分に生かせるようダイエットに励むはずだ。

 

最新のプラットフォームの採用で、現行の2シーターから、2+2シーターへと実用性を高める。ポルシェ911へのライバル意識が、プンプン。とはいえ、ポルシェ同様、リアシートは、事実上、第2のトランクルーム。大人は座れない。いちいち、トランクを開けなくとも荷物が積めるということで、実用性向上ということなのだろう。

 

ボディスタイルは、これまで通り、クーペとコンバーチブルが用意される。

 

ジャガーFタイプが誕生した2013年、その美しいシルエットが故、「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。2代目Fタイプも、「世界一美しいクーペ」の名を継承するような、優美なフォルムで目の前に現れてくれることを期待したい。

 

▶今後の展開

2代目Fタイプは、2020年頃の発売予定だ。2代目Fタイプの後には、ミッドシップのジャガーが控えているという。ミッドシップのジャガーは、大いに気になる存在だ。ミッドシップのジャガーを優先する関係で、残念ながら、今年の5月頃に話題になった、ジャガーXKの復活はさらに先になりそうだ。

 

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何はともあれ、BREXITが無事合意に達し、ようやく復活した英国自動車ブランドが、元気にさらに成長してくれることを祈るばかりだ。

 

Photo source:JAGUAR

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